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2011年11月23日 |
共生ホーム 「しらゆき」 |
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11月末、共生ホーム「しらゆき」が完成した。 鳥取で初めての取り組みとなるデイサービスと障害をもつ人たちが共にやすらぐ「共生の館」であ る。 腰屋根が太陽光の取り入れ口である。
建物の中央に位置する通路になる交流の場には太陽光を多く取り入れた。このスペースが建物の大きな売りである。 曇りでも全照明は必要ない。
デイルームは、南向きで暖かく明るい部屋になっている。中心に丸太柱を「安全と自然といのち」の象徴として設けた。 左に見える夜間電力使用の蓄熱型暖房機が家中を暖めている。 |
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2011年11月19日 |
兵庫建築士会との交流会(鳥取県西部) 澤 健一 |
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例年、開催される兵庫県と鳥取県建築士会の交流会が ありましたので記録します。今回は第9回めになります。来年は兵庫て゛10周年となる。
最初は、枕木山、島根半島の中央に位置する。その山頂にある龍翔山 華蔵寺。 正直いってそれほど期待をしていなかった、そんなときの建築を見てびっくりすることがままある。 まさに、これはその例である。 臨済宗南禅寺派の末寺、禅宗の古刹、開基は1200年前天台宗の僧、智元上人で、その後、堀尾吉春候により復興、明暦三年(1657)松平直正公により再興される。
その後、松平不昧公により現在の形に復興される。山門の棟飾りがとてもユニークだ。
本堂に奥書院より渡る太鼓橋に眼が留まる。手前は小さな中庭になっており庫裏の縁側からみた写真である。 その奥書院がすばらしい、下の写真は茶室への入り口である。やわらかな鴨居の線がもてなしの心を持ってお客を招き入れる。
 本堂の前は美しい庭になっている。ほうき目がきれいに水面を描いている。

眼下には中海に浮かぶ大根島、遠望に秀峰大山の裾野が見える。 このときは偶然にもこのような写真が撮れた。たぶんこの間15分程度だったか、すばらしい景観である。
まじめに和尚の講和を聞く。 天台宗は檀家が少ない。お布施も無く托鉢をして廻っておられるとのこと。 寺の改修が出来なくて困っておられる。島根県や松江市はこんなにすばらしい文化財を見捨てているのか、なんとかしてほしい。
旧江尾発電所に行く。 建設年は大正7年、山陰電気が建設。そして広島電気と合併して後に中国電力となる。 しかし、建物の前に別工事のプレファブがあり、写真が撮れなかった。
裏に廻ると、大きな発電用水路の穴の跡が覗える。

根雨の町並みを散策する。
一般には見せていただけない所である、近藤家の庭のある客間を拝見した。 あった、あった、ここにも鳥取スタイルの縁側構造があった。 縁戸の外に丸桁を持ち出して縁角隅の視界を自由にするコルビジェの様式である。ただ隅柱は立っていてここの建物の場合は庇を多く出したいということなのかもしれない。
しゃれで金持神社によった。着いたらしゃれでなかった、大型バスが居るではないか。なんという、有名になったものである。
猫ひろしの祈願もあったとは。
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2011年11月11日 |
姫路から近江へ 澤 健一 |
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11月11日から12日にかけて建築士会東部支部の研修会に参加した。姫路城大天守修理の見学から近江の佐川美術館までのコースである。今回は開口部、たとえば窓や入り口、そこに至る通路などにレンズを向けて感想を残したい。
 佐川美術館の入り口に向かう列柱の通路は水面に反射する光と列柱の影が織り成す空間が逸る心をさらに高ぶらせる。 佐川美術館にはいたるところにこのような空間の作用を感じられる。設計者の細やかなかつ明確な意図なのであろう。
 入り口のホールはたっぷりとボリュームをもって来場者を迎える。決して豪華な素材を使っているわけではないのだが美術館としての安心と気品、そしてこれからの高揚を「ちょっと待て慌てるな」と沈ませる。
 列柱の通路が規則的に平面を構成しているが特に中池北側の通路が印象的だ。 楽吉左衛門館のホールには暗がりの中に池の水を通した光が降り注ぐ。まさしく地底の奥だ。地下の洞穴に迷い込みあがいた挙句に一筋の光明を見出した子供の頃の感覚を呼び起こす。まさに焼き物の土や岩の源「ジオ」を彷彿とさせる。
近江にはヴォーリズ記念館を訪ねて行く手筈であったのだが、予約が取れていなかったというハプニングがあって、近江兄弟社学園のハイド記念館に行った。しかし、記念館の先生の丁寧な説明もあって逆にヴォーリズ氏のことがよく理解できたようだ。
ヴォーリズ建築の特徴は優しさと住みやすさにあるという。 階段の登りやすさ丸みの帯びたディテール、暖房を取り入れた設備などである。「たとえ建築家の評判を高めるような壮大な建物を作ることが出来ても、肝心の中に住む人は建築家の幻想の所産に過ぎない芸術作品のおかげで自らの生活を変えねばならないという不便な結果になってしまう」これがヴォーリズの建築への思いが表されている言葉である。ハイド氏はあの有名なメンソレータムの発明者である。
 近江といえば出江さんの瓦ミュージアムだ。10数年ぶりに来ましたが、まだまだ健在であります。忘れていた空間やディテールが思い出されてきます。
いつも建築士会の研修は予定変更がある。慣例になっているようだ。ところがだいたいその結果が良い。今回は大山崎山荘美術館に行けた。大山崎は千利休の茶室「待庵」が移築されている町だと後になって知った。山荘は安藤さんの地下美術館のあるところである。あーっと思い出した方もおられるのでは。
 このトンネル状の入り口は琅玕洞(ろうかんどう)という。ここから歩いて10分程度で山荘に行き着く。美術館は霽景楼(せいけいろう)という。敷地内には6箇所に建物がありそのどれもが国有形文化財である。トイレの入り口がいいですね。
姫路城は入り口ばかりシャッターを押した。
 

開口部は戦いを積み重ねた何か物語っている気がします。
戦い守る開口部は厳つく迷いを誘う形が見て取れます。   |
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