〜 伝え残す鳥取の原風景 〜
鳥取県内の自然環境を維持・保護する団体の結成を目指して
全国初の県単位のナショナル・トラスト活動を行いました。
自然の原風景を次世代に残すために
【概 要】
ナショナル・トラスト運動はイギリスが発祥の地です。景観や建築文化、自然環境と一体となった土地を保全・管理・再生・公開し、次代により良い形で残そうとするものであります。したがって、自然を残すべき土地の市民による所有・保全運動やその他の自然保護活動もその中に含むものです。
1・大会の目的
日本の高度経済成長とその疲弊、少子高齢化や地方の過疎化などで、地域の存立や、その背景にある自然が危機を迎えている今、持続可能な地域づくりのために自然と人の共生を創り出さなければならないと強く問われています。
本大会はそのために全国で活動する市民団体、行政、研究者、実践者、企業などがその運動成果をもちより、多様な討論によって課題の解決や運動方向を強化するものであります。2005年現在、ナショナル・トラスト運動は全国50ヶ所を超え、その保全面積は約6000ha余りにひろがりました。その活動の広がりと地域景観の保全を目指し第24回目のナショナル・トラスト全国大会を開催しました。
2・大会のテーマ
鳥取砂丘を含む山陰海岸国立公園は世界自然遺産にも候補にあがり、また、大山独立峰に代表される中国山脈の自然保全など、その自然をベースとする体験型観光やグリーン・ツーリズムの推進などに取り組んできました。
その地域性において大会テーマを「砂丘・海・里山から美しい景観を育てる」とします。鳥取の、さらなる地域資源の発掘や残すべき自然の保全方向を確立するスタートとして、アジアの照葉樹林文化圏としての日本、日本海と中国山脈に囲まれた多様な自然と人々の営みを世界発信するために本大会を開催しました。
鳥 取 宣 言
鳥取におけるナショナル・トラスト運動の発展を目指して
NPO法人岩美自然学校理事長 澤 健一
私たちは第24回ナショナル・トラスト全国大会の鳥取県開催にあたり、本大会にお集まりの皆様と、全国の有志の皆様のご支援を得て、次のことを宣言します。
一、美しい自然や貴重な歴史的遺産を私達の大切な資産として守り再生し、子どもたちや将来の人々に手渡していきます。
一、自然や歴史的遺産と地域経済との調和をはかり、自然と共に生きる持続可能な社会を構築します。
一、鳥取におけるナショナル・トラスト運動を発展させ、県内のネットワークを構築します。
日本の「自然保護憲章」の発祥の地が鳥取県であることを私達は誇りに思い、私達の身近な自然や歴史的遺産を、私たちの手で守り育てていかなければならないと思います。今回のナショナル・トラスト全国大会を契機に,県民がその自然環境や歴史的遺産を自分達の資産として再認識し、持続可能な地域社会を創造するネットワークを県民が皆で構築していくことを願ってやみません。